男性の育休と「パタハラ」の問題

妊娠した女性従業員に対し、退職を強要したり業務上不利益になるような嫌がらせをしたりすることを「マタハラ」と言います。
これまでは子育てに関する悩みは女性が持つものという意識が強くあったことから、出産・育児により不利益を被るのは女性だけというふうに思われてきました。

しかし時代は少しずつ変化をしています。
男性で育児に参加する人が増えてきたことから、育児に積極的に参加をすることで勤務先の企業から不利益を受ける「パタハラ」も増えてきています。

「パタハラ」とは「パタニティハラスメント(Paternity harassment)」の略で、「父性=パタニティ」に対して職場の上司や同僚がかける圧力のことを指します。

その最たるものが男性の育児休暇に関することです。
制度的には認められてはいても、実際に取得を申請することで仕事を干されたり復帰後のポストを本人の全く意にそわないものにしたりといったような事例が報告されています。

女性へのマタハラの方が件数的には圧倒的なので、まだそれほど目立ったものではありませんが、これから当然の時代の流れとして育児に参加しようとする男性の意識を削ぐ非常に悪質なものといえます。

まずは男性の育児休暇取得をより一般的にしていくために、世の中全体が働き方についての意識を改革していくことが重要でしょう。

取得率は上昇傾向にあります

しかし「パタハラ」という言葉が世間に認知されるようになってきたということは、裏返せばそれだけ取得をする人が増え、それに伴う軋轢が表面化してきたということでもあります。

厚生労働省の公表によると、育児休業取得率は平成8年度の取得割合は0.12%であったのに対し、平成27年度には2.65%にまで増加しています。

全体的な割合としてはわずかながらも制度開始から10年以上が経過したことで取得率が増加傾向にあるということは今後急激に増加していくということが予想されます。

ただし、育児休暇の取得率が高まってきたからといって全てが喜ばしいというわけではありません。
実際に取得をした中では、復帰後自分のデスクが極端に窓際に置かれており仕事をまったくふってもらえなくなったというようないわゆる「追い出し部屋」のような扱いを受けたという人がいます。

そこまで極端でなくとも、育休を申し出たら突然に上司が険しい顔をして評価を落とすようなことを言ったり、同僚からの態度が冷たくなったということは当たり前に起こっているのが実情です。

現在は都道府県の要職に就く人や芸能人などが取得を呼びかける例もあり、育休後に再び大きな活躍をする人の割合が増えていくことがパタハラをなくすための重要な項目になるのではないかと思います。